ホストタウン

ホストタウン

 東京五輪・パラリンピックの開催がどうなるのだろう。年齢などを問わず、多くの人が関心を持っている問題だ。

 国際オリンピック委員会(IOC)や政府、組織委員会は開催へ突っ走るが、世論調査などでは懐疑的な声が大きい。

 こうしたオリ・パラの開催可否と合わせて、いやそれ以上に自治体を悩ませているのが「ホストタウン」事業だ。海外からの参加選手が事前に合宿して、住民との交流も進める。大会推進本部は「お互いを学び合い、お互いを思い合う史上初の取り組み」と胸を張る。

 目的や理念は素晴らしく、道内でも札幌やむかわ、安平、厚真など22自治体、全国では528自治体が登録している。苫小牧市もパラ陸上のカメルーン選手団が合宿する方向で準備が進む。

 ところが、4月に改定された受け入れ手引きによると、選手と住民は接触が生じない形態での交流が原則―とある。つまり、対面での交流はできずに、オンラインの活用を求めている。「じゃあ、どうすりゃいい?」と悩む自治体担当者も多いはず。

 そもそも、大会が開催されてもコロナ禍で海外の選手が事前合宿なるものを行うのだろうか。感染対策が最優先される中では、ホストタウン事業の本来の目的を実現するのが難しいのは明らかだ。直前になっての中止は自治体の混乱を招くだけに、こちらも早めの判断が政府には必要だ。(昭)

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