ヤングケアラー 苫小牧にも潜在、「総合的な支援を」

ヤングケアラー 苫小牧にも潜在、「総合的な支援を」

 厚生労働・文部科学両省のプロジェクトチーム(PT)が昨年末から今年1月にかけて行った初の実態調査によると、「世話している家族がいる」と回答した中学生が5・7%、高校生は4・1%に上った。苫小牧市内で子ども食堂や介護事業に携わる人たちは「ヤングケアラーは苫小牧にも潜在している」と口をそろえ、教育や福祉の垣根を越えた包括的な支援の必要性を訴える。

 国は一般的に大人が担うような家庭内でのケアを日常的に行っている子どもをヤングケアラーと位置付ける。家庭内でのケアには家事、きょうだいの世話、家族の介護などのほか、依存症などの問題を抱える家族への対応も含まれる。

 市内ではヤングケアラーに関する調査が行われていないため詳細な実態は把握できていないが、市内中心部で子ども食堂を主宰する女性は「家族のケアを中心的に行っている子どもは地域にも存在している」と指摘。女性には精神疾患によって食事や排せつなどの日常生活がままならない妹の世話をしている高校生や、アルコール依存の父親に気を配りながら暮らしている小学生などからの相談もあるという。女性は「このようなケースでは虐待や貧困、障害、社会的孤立などさまざまな問題が複合的に絡み合っている。総合的な支援が必要だ」と訴える。

 高齢者福祉に関する仕事をしている別の女性も病気の家族のケアで登校もままならず、学習機会を奪われている子どもの姿を目の当たりにしてきた。「一つの家庭にあらゆる機関が支援に入るケースは少なくないが、ヤングケアラーについてはどの機関も消極的で大きな壁を感じている」と明かす。

 国もこうした問題を重く受け止めており、同PTは17日、支援の具体策を盛り込んだ報告書を公表した。市福祉部の柳沢香代子部長は「ヤングケアラーは自ら声を上げることが難しい子どもが当事者であることがポイント」と強調。「あらゆる大人が子どもの発する小さなサインに気付けるよう、まずはヤングケアラーについての理解が大切」と語る。

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