反省

反省

 うさぎ跳びや膝を伸ばしての腹筋運動は膝や腰を傷める原因と昔、話題になった。野球の投手の投げ過ぎが選手寿命を縮めるのも今は常識。高校野球で対策が広がる。

 子どもの一人が小学校から高校までサッカー部に所属した。昔は球技といえば軟式野球かソフトボール。子どもの人工皮革のボールに触って、その硬さと重さに驚いた。Jリーグ選手ほどではないが小学生でもパスやコーナーキックに合わせヘディングをしていた。衝撃が心配になり聞いたことがある。「頭は大丈夫か」。答えは「そりゃ痛い」。今はごく普通の会社員。父の球さばきに憧れて孫2人が今、サッカーに挑戦中とか。

 ヘディングの頭部への悪影響に関する報道がこの間、相次いでいる。イギリスでは、大学が元プロ選手ら2万数千人の調査を基に死因を比較し、認知症などの発症の可能性が高いと結論付けたことを受けて、サッカー協会が昨年、11歳以下の練習でのヘディングを禁止する指針を出したそうだ。日本サッカー協会も先頃、幼児期から15歳までの指導指針を承認。小学校低学年では風船や新聞紙を丸めたボールなどを使い、高学年にかけて、頭部への負荷を考慮しつつ練習を行う―などの内容だ。

 古い知識や根性論の誤り、苦痛こそ強化だという誤解が子どもたちの健やかな成長をむしばむことがある。指導者だけでなく親や周囲も注意が必要だ。息子の仲間たちの元気な笑顔を思い出しながら反省した。(水)

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