6月13、14両日に道内で予定されていた公道での東京五輪の聖火リレーは26日、中止される見通しとなった。東胆振1市4町はすべてリレーコースに含まれ、ランナーたちは自らの走りで地域を元気にしたいと張り切っていただけに、落胆の大きさを隠せない様子。胆振東部地震からの復興やアイヌ文化を発信したいと準備してきた首長らは、新型コロナウイルスの感染状況を考えればやむを得ないとしながらも、無念さをのぞかせた。
◇ランナー
厚真町を走る予定だった江川京珠さん(15)は現在、北広島市内の高校に通っている。「これからの人生で経験できることではないので、チャレンジしてみたいと思っていた。葛藤もあった中でやっと気持ちが盛り上がってきたところだったので、残念」と沈んだ声で話した。
スケートショートトラックでリレハンメル、長野五輪の2大会に出場したむかわ町在住の椿文子さん(51)は「残念だけれど、北海道の感染状況を見るとやむを得ない」と言葉少なに語り、13日の白老町、14日の札幌市と最終地点でのセレモニーがどうなるのかを気に掛けていた。
白老町のコースを走る予定だった自衛隊員の山本宏さん(60)も「やむを得ないが、とても残念」とショックを隠せない。しかし、「聖火ランナーに選ばれたことは光栄であり、私の人生の良い思い出として残したい」と述べた。
◇関係自治体首長など
13日の聖火リレーで最終コースとなっている白老町の戸田安彦町長は「残念ではあるが、感染者を増やさないことが大事であり、やむを得ない」と述べた。また、町内コースのゴール地点となる民族共生象徴空間(ウポポイ)駐車場を会場にしたセレブレーションについては、感染対策を徹底した上で「簡素化した形でも実施されれば」と望んだ。
厚真町の宮坂尚市朗町長は「被災地として町民の表情を全国の人たちに見てもらいたかった。被災3町でリレーする意味を重く受け止め、できる限りの歓迎の準備をしていた。残念ながら(中止の)判断に納得せざるを得ない」と述べ、「何らかの形で厚真町に五輪のレガシーを残していけたらと思っている」との考えを示した。
安平町の及川秀一郎町長は「公道での中止はやむを得ないと思うが、走ることが決まっていた方は楽しみにしていた。伴走で小中学生も走る予定だったので、コロナが落ち着いてからでもいいから、何か一生の思い出に残るようなことができないか考えていただければ」とランナーの気持ちを思いやった。
むかわ町は方針が伝えられた26日、町内の高齢者施設で初めてのクラスター(感染者集団)が発生しており、竹中喜之町長は「まずはクラスターを終息させたい」と感染拡大への対応に追われた。
苫小牧市の岩倉博文市長は同日、「非常に残念な思いだ」とした上で、「市にゆかりのある卓球男子の丹羽孝希選手や、スケートボードの開心那選手のオリンピックでの活躍に期待するとともに、市民を挙げて応援してまいりたい」とのコメントを発表した。
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オリンピック・パラリンピック教育実施校に認証され、サポートランナーを務めることになっていた苫小牧中央高校の香川謙二教頭は「野球部やサッカー部などスポーツコースの生徒20人が、最終ランナーのサポートランナーを務める予定だった。楽しみにしていたので中止になるなら残念」と語った。
聖火が駆け抜ける予定だった苫小牧駅前通ではんこ店を営む市商店街振興組合連合会の秋山集一理事長(70)は「沿道の各店舗に聖火が通る時間帯を記したチラシを配り、ランナーを応援できたらと考えていた」と準備の様子を明かし、「やむを得ないとは思うが、貴重な機会がなくなり、残念とも思う」と話した。
















