むかわ町は、新型コロナウイルス感染症対策として、胆振東部地震で被災した鵡川高校野球部が使っていた仮設生徒寮の一部を再利用し、役場本庁舎に多目的スペースを整備する工事を進めている。町は当初、6月中旬を工期としていたが、町内で感染が拡大していることから「緊急事態」と位置付けて完成を急ぎ、早ければ6月初旬にも供用を開始する考えだ。
多目的スペースの場所には、役場本庁舎駐車場を利用。移動可能なモバイルハウス7棟(1棟あたり床面積約29平方メートル)をつなぎ合わせた。
活用方法には、今後の各種選挙の期日前投票や確定申告の会場にすることを想定している。鵡川地区の期日前投票所、確定申告会場は町役場に併設する産業会館の会議室で行っているが、広さや換気設備が十分でないほか、出入り口が1カ所のみで、3密(密閉、密集、密接)の回避が難しいため。状況を踏まえ、これまで以上のスペースを確保し、出入り口も数カ所ある構造にする。
また、生徒の部屋として使っていた場所は、敷居の壁を外すなどして三つの部屋にした。オンライン会議やリモートワーク、小規模のミーティングルームなど多様なニーズに対応できるようにする。
町内では今月に入り、感染者が相次いでいるほか、高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生するなど危機的な状況下にある。町の担当者は「庁舎機能や来庁者の安全確保、低リスク者の分散勤務場所として果たす役割は大きい」としている。




















