コロナ禍の下でも観賞機会が訪れた「天体ショー」にしばらく見とれた。おととい26日午後8時すぎ、居住地上空には薄い雲が懸かったが、月が「赤銅色」に染まった。
満月が地球の影に入って暗くなる「皆既月食」。日本では2018年の7月28日以来、約3年ぶりに見られた。街灯が照らす歩道に立ち止まり、並んだ電柱の高さを超えたあたりの見掛け高度に円い月が赤黒くなって浮かんでいたのを確かめた。
ひととき夜空を見上げようと屋外に出ていた人は案外多かった。独りでたたずんだ場所に寄って来た近所の人に「きょうは月が何か変わって見えるんですか」と尋ねられ、今年の満月で地球に最も距離が近くなって大きく見える「スーパームーン」と皆既月食が重なると説明したら納得の様子。”同好の士”とささやかな交流も果たせた。
事後学習として閲覧した国立天文台ウェブサイトには、この現象の解説、図解が豊富だ。次回日本で皆既月食が起きるのは22年11月8日。地球の中心と天体の中心の地心距離は一昨日の「スーパームーン」で約35万7000キロで、今年最も月が遠くなり、小さく見える12月19日には約40万6000キロという。
宇宙航空研究開発機構ウェブサイトものぞいた。今、星出彰彦宇宙飛行士が搭乗中の国際宇宙ステーションは今夜午後8時50分の前後、宗谷海峡上空を北西から東の方角へ通過する。もし曇りがちで視認できなくとも任務完遂を祈るばかり。(谷)









