苫小牧市、控訴審も全面敗訴  大東の請求「権利乱用と言えない」 旧エガオ訴訟

苫小牧市、控訴審も全面敗訴 
大東の請求「権利乱用と言えない」 旧エガオ訴訟

 JR苫小牧駅南口の旧商業施設「駅前プラザエガオ」をめぐり、所有者の苫小牧市に対し、土地の一部を所有する大東開発が賃料相当分の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、札幌高裁(長谷川恭弘裁判長)であった。判決は、市が公共的な目的で権利集約に関わった有利な事情を十分に考慮しても、大東側の請求が「権利の乱用に当たるとまでは言えない」として市の控訴を棄却。一審の583万円に同日までの賃料分を加えた665万円の賠償金の支払いを市に命じた。

 判決は、市の権利集約がビルの廃虚化を避け、駅前を再生する公共的な目的に基づいたものだったとしても、大東側が「再開発のために寄付をすべき法的な義務を負うものではない」と指摘。さらに、大東側の土地取得について「(市側が主張する)再開発に際しての過大な補償の要求を主たる目的にしたとも認められない」とした。

 市は同日、岩倉博文市長名で「主張が認められない結果となり、非常に残念な思いだ。判決内容を精査し、弁護士とも協議の上で今後の対応を判断したい」とコメントを出した。大東開発は「これから弁護士と協議するので、現時点ではコメントを差し控えたい」としている。

 同訴訟は大東側が2019年1月に提訴。20年2月の一審判決は大東側が全面的に勝訴し、賃料相当分など583万円の支払いを市に命じた。市は公共的な目的で権利集約に動いた経緯が考慮されていないとして控訴。控訴審は20年7月に結審し、裁判所の勧告に基づき和解協議を重ねたが、21年3月に決裂した。

旧エガオビルをめぐる動き

2014年4月 エガオ運営会社「サンプラザ」が事業停止。札幌地裁に自己破産を申請

   5月 札幌地裁は自己破産申請を却下

   8月  テナント組織の自主営業も終了、エガオ閉店

   11月 サンプラザが札幌地裁に自己破産を再申請

 15年3月 札幌地裁が保全管理命令

 8月ごろ 苫小牧市が建物と土地の権利集約の方針を決め、地権者らとの交渉開始

   12月 札幌地裁が破産手続き開始決定

 16年5月 サンプラザの破産手続き終了

 17年2月 苫小牧市が旧エガオビルの建物部分の全権利を取得

 18年5、10月

      旧エガオビルの一部地権者「大東開発」が市に賃料相当分の損害賠償を求める催告書

 19年1月 大東開発が損害賠償を求めて札幌地裁室蘭支部に提訴

 20年2月 札幌地裁室蘭支部判決。大東開発が全面勝訴。市は控訴

   7月 札幌高裁で第1回口頭弁論。裁判所が和解勧告

 21年3月 計8回の和解協議後、進展が望めないと協議打ち切り

 5月28日 札幌高裁判決。大東開発が全面勝訴

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