白老町は、従来の行政改革大綱と財政健全化プランを一本化した「行財政改革推進計画」を策定し、運用を開始した。人口減少の進行で町財政が厳しさを増していく中、効率的な行財政運営を推進し、将来にわたり安定的な行政サービスの提供につなげる。計画には将来の人口規模に見合う職員数の適正化や、公共施設の統廃合なども示した。
期間は2021~28年度の8年間。人口減少で町税や交付税など収入の落ち込みが予想される中、財源確保や経費抑制をより意識した行財政改革を推進するために策定した。
計画では、行財政改革の基本方針として▽行政サービスの充実▽効率的・効果的な行政運営▽健全な財政運営▽公共施設の適正化―を掲げ、これに基づき11の実施方策と27の実施項目を示した。
行政運営関連では、21年度から8年間の町定員管理計画に基づき、将来人口や予算規模に見合う職員数の適正化を図り、人件費の削減につなげる。役場の機構改革も推進し、複数部署を集約する大課制(大グループ制)の導入で業務の効率化を図る。
財政運営関連では、定住人口やふるさと納税を支える関係人口、観光客を増やす施策を推進し、地域経済の活性化と財源確保につなげる。旧白老小や旧社台小、旧竹浦小といった遊休施設、遊休地の売却や賃貸も検討する。
人口減少を背景に、公共施設の再編や統合、廃止を推進。17年度に策定した町公共施設等総合管理計画に基づき、施設総量(延べ床面積)を15年間で3割減らすとした取り組みを推し進める。また、公共施設を適切に点検・補修する長寿命化策で、突発的な改修費用の発生を抑え、長期的コストを縮減させる。公共施設関連で、老朽化する役場本庁舎を複合施設に建て替え、行政業務や維持管理の効率化、町民の利便性向上を図る方針も示した。
この他、新たな事業を行う際に既存事業を統廃合し、経費増大を抑えるスクラップアンドビルド方式を推進。行政サービスの充実に向けて、オンラインによる申請や押印の廃止など行政事務手続きの簡素化も取り入れる。さらに、民間業者への業務委託と完全委譲を推進し、住民サービスの向上につなげる。
一時危機的状況に陥った町財政は、健全化計画の実行で改善。19年度決算では一般会計の起債(借金)残高を98億円にまで減らし、財政調整基金(貯金)を9億円超に増やす成果を出した。しかし、人口減の本格的な進行で現状の行政組織や行政サービスの維持は困難な状況にあり、町は「これまで以上に改革を促して行財政基盤の強化を図り、ニーズに即した質の高い行政サービスの持続的提供を実現したい」としている。

















