学校統合問題で説明会 疑問視する声相次ぐ 安平

学校統合問題で説明会 疑問視する声相次ぐ 安平
安平町内の小学校統合に関する説明が行われた会合

 安平町教育委員会は2日、遠浅、安平の両小学校を2022年度限りで閉校し、23年度に早来小と早来中を一体化して早来地区に開校する小中一貫の義務教育学校に統合することに関する説明会を遠浅小体育館で開いた。町教委の説明に対し、遠浅小に子どもが通う多くの保護者からは「いきなり統合はおかしい」「遠浅小に通いたい子どもたちはどうなるの?」と判断を疑問視する声が相次いだ。

 遠浅小の保護者有志が学校の統合に関する説明不足を訴えて企画された。保護者、住民が20人ほど出席した。

 町教委は義務教育学校の開校に伴い、対象児童に対して通学先の学校を選ぶ「学校選択制」から「統合」に転換した背景について、「学校選択制では、登下校で子どもに負担がかかる」「導入した場合、安平小は在校生が1桁に減少し、遠浅小も全学年複式学級になる可能性があり、老朽化対策を含め町の財政も厳しくなる」と説明。また「町として子どもたちによりよい教育環境を与えたいと考えた時に統合がベストと思われた」と見解を示した。

 一方、参加者からは「小規模校のメリットを感じている。大きな学校に行くメリットはあるのか」「複式学級が悪いと言われているようだ」といった意見が出された。種田直章教育長は「複式学級の良さは十分に感じているが、学年が違うことで、授業の中で同じ教室にいる全員が目標を共有することができない」とし、義務教育学校に通わせることで「より多くの先生で子どもたちを見てあげることができる。(町内で)教育の差異をなくしたい」と理解を求めた。「(選択制に伴って)以前行ったアンケートの結果は無効なのか」との質問もあり、町教委は「数値は結論の材料にしていない」と回答した。

 遠浅小に1年生の児童を通わせる父親(42)は「(町教委から)初めて説明を聞いた。決まったことを淡々と話しているだけで、こちらの意見は無視されている感じだった」と肩を落とした。

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