自覚

自覚

 自動車の運転をしていると自らの衰えを自覚させられる。視力が落ちた。聴力も怪しい。筋力低下が進み、ハンドルが重くなっていく。

 暴走や逆走など高齢運転者の事故のニュースの報道に震え上がる。数年前まで、未明に自宅を出発して往復500キロ以上を走って山歩きをしていたのに―と、往時を懐かしむ心のありようも、きっと衰えの証拠だ。

 2年ほど前に買い換えた乗用車の安全運転補助装置が役割を果たしてくれて助かっている。車体の前後左右の感知装置が人や物との接近を、音と光の点滅で接近箇所まで教えてくれる。方向指示器を使わずに車線を変更すると音で警告、発進から停車までの運転操作が適切だったかを停車時に100点満点で評価してくれる。参考になる。

 きのうの全国紙の報道によると、国土交通省は来年5月以降の新車から、バックカメラの装着を義務付ける方針を固めたそうだ。体が硬くなってきて後部の確認が難しかったが、カメラが歩行者や自転車の動き、車や壁を写してくれる。超広角レンズで広い範囲を写すため距離の判断が難しいが、画面上の赤や緑の線と、警告音の音階の変化で接近が分かる。2019年の工場出荷時点で乗用車の56・9%に、このカメラが付いているそうだ。装着の義務化は後退時の事故防止に役立ちそうだ。

 「交通戦争」を生き抜いた世代。免許証の更新や返上が知人らとの話題になることが多い。安全の確保に努めたい。(水)

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