政府専用機

政府専用機

 曇天の夕刻、中国国際航空のジャンボ機が新千歳空港に飛来した。機は降下し、主翼下の対の車輪が接地したものの、機首下の前輪が長く接地しないままの体勢を続けた。

 千歳に勤務していた2018年5月、中国の李克強首相が本道訪問時に乗ったチャーター機を滑走路近傍で写真撮影した際の光景。日頃見る旅客機ではまずない降り方で、操縦士の単なる機首下げ操作の遅れか、美意識がなす機首上げの誇示か、などと報道陣の臆測を呼んだ。

 日本の政府専用機は先進7カ国首脳会議(G7)に出席した菅義偉首相を乗せてきのう、英国から戻った。東京出発に先立ち、一行を運ぶはずだった機の照明が故障して急きょ予備機が代行するニュースがあった。

 当該支障機も1時間半遅れで離陸。政府専用機は2機あり、首相らが外遊時、両機は必ずペアで行動し、目的地へ飛行する支援態勢を取り合う。現行B777型機就役は19年3月のこと。以前は1993年から運用されたジャンボ機B747だ。

 格納庫がある航空自衛隊千歳基地の報道公開で新旧両型の内部も見学した。乗務員は全員航空自衛官。到着先では機から離れず、すぐさま離陸できるよう待機するのが任務という。

 千歳離着陸の同機は苫小牧上空をよく飛行している。天をついて上昇中の国、中国との向き合い方を参加国が探った今回のG7。翼に「日の丸」を付けて外交の意思を運ぶ大型機が今後とる進路が注目される。(谷)

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