日本では「家族以外の親しい友人がいない」という60歳以上の人の割合が31・3%に上った。政府が先の閣議で決定した2021年版高齢社会白書の結果。15年の調査に比べて5・4ポイント多いという。
国際比較のためアメリカなど3カ国でも調査したところ「いない」と答えたのはアメリカで14・2%、ドイツ13・5%、スウェーデン9・9%だ。日本には気軽に悩みなどを相談し合える友人が少なく、寂しく過ごしている高齢者が多いらしい。
いじめが社会問題になる、はるか前ののどかな時代。秘密基地造りを卒業したおばか男子たちの習性の一部を思い出した。週末、友人の部屋に泊まり込んで、好きな異性を白状し合い、学校や先生の悪口、たまには成績や進路のことなどを夜明けまで話した。友情って何だ。お前の親友は? そんな面倒くさい話題を持ち出すやつもいた。勝手に話すだけで特に結論などはなく、誰かの返事がいびきに変われば眠りの世界に入る合図だった。中学生から高校生にかけての時代の話。そんな友人が何人かいて、合宿の人数が増えたり減ったり入れ替わったりしながらみんな大人になったはず。仕事や家庭に振り回され、つい音信が途絶えてしまったか。
背景には高齢男性の単身世帯の増加もあると政府の分析。高齢者が地域社会から孤立しないよう社会への参加を促す取り組みを進めるという。調査対象の高齢者とは、今や自分の年代のこと。疎遠を反省する。(水)









