新型コロナウイルスの感染拡大に伴う北海道への緊急事態宣言が解除された。解除されても、新規の感染者は連日出ているし、死者も発表されている。決して手放しで喜べる状況ではない。家族や自身の感染予防へ、対策の緩みだけは禁物だ。
ちょうど1カ月後には東京五輪の競技がスタートしている。開会式は7月23日だが、21日には札幌ドームでサッカー女子の予選が始まる。日本代表の「なでしこ」もカナダと対戦する予定だ。福島からはソフトボールの熱戦が聞こえてくる。
五輪に懐疑的な声は根強いが、世論も少し変化している。報道機関が実施した世論調査で、4月段階では中止・延期で80%を占めていたものが、6月調査では「開催」と「中止」が拮抗(きっこう)している結果もあった。積極的ではないが、ここまで来たのなら「開催を」と気持ちが動いている人も多いのではないか。
ただ、開催するにも「もやもや」が多すぎる。有観客による感染リスク対策、海外から訪れるメディアを含めた関係者の水際対策、行動管理は大丈夫なのか。競技ごとに選手を宿泊場所と会場との移動だけに制限し、泡のように包む「バブル方式」も、そこから抜け落ちないのか。本来ならもっとアスリートに光が当たっていいはずなのに、もやもやが邪魔をする。残り1カ月。どこまですっきりになるのか。競技に集中できる環境が必要だ。(昭)









