白老町は、民族共生象徴空間(ウポポイ)開園日に運行する交流促進バス「ぐるぽん」に、乗車の特別サービスを導入した。当日乗り放題の1日乗車券を提携先の飲食店などに提示すると、ドリンク1杯無料といった特典が受けられる。観光客の交通利便性を高めるため昨年7月に運行開始した「ぐるぽん」の利用が低迷する中、町は新たなサービスで乗車を促す考えだ。
「ぐるぽん」は、ポンチョと呼ばれる36人乗り小型バスで、昨年7月12日のウポポイ開業に合わせて運行を開始。現在、ウポポイ前を発着起点にJR白老駅周辺など中心街を循環する「市街地循環便」と、社台から萩野まで広域に走る「広域ピストン便」の2路線で運行している。
JR列車などで来町する観光客に町内を周遊してもらい、商業観光振興に生かす2次交通手段として導入したものの、利用は低迷。運行開始から今年3月末までの乗車人数は2832人(運行日数219日)となり、1日平均で13人にとどまった。
このため、町は「ぐるぽん」の利用促進に向けた対策を検討。1日乗車券(大人200円、小中学生100円)を使った乗客に特別サービスを提供し、バス利用の魅力を高める取り組みを22日にスタートさせた。
特別サービスは、乗車時に車内で購入した1日乗車券の半券を提携先のレストラン、カフェ、ベーカリー店、スーパーなどに提示すると、受けられる仕組み。特典は料金の割引やドリンク1杯無料、焼き菓子のプレゼントなどで、「ぐるぽん」が走る路線付近で営業する15店で提供している。サービス利用は、乗車券を購入した当日のみ有効。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う観光需要の冷え込みもあって、「ぐるぽん」の利用は今年度に入っても低迷を続けている。4月の乗車人数は126人(運行日数25日)で1日平均5人、5月は177人(同26日)で同6・8人となった。町は「特別サービスの利用は有効日ならば、何店でも受けられる。観光客のみならず、町民にもバスをどんどん使ってもらえれば」としている。

















