先日、読者から見慣れないカレイを釣った、との連絡を頂いた。見ると尾や背、尻の各ひれに条紋がなく、有眼側のうろこはざらざらと粗い。頭は小さく、無眼側は白一色。大きさは30センチ弱だった。北海道の魚類図鑑を広げてみたが、素人には分からなかった。
道立の研究機関に相談すると、非公式ながら「マコガレイの可能性が高い」という見立て。調べると渡島、胆振、日高海域が北限で、道内で唯一漁場のある渡島管内知内町がブランド化を推進していた。全国では大分県の「城下かれい」が有名だ。
そうとおぼしきカレイを30年ほど前に苫小牧港・西港で釣ったことがある。クロガシラと思い込んでいたら、隣の釣り人が見るなりマコガレイと断じた。「目と目の間にうろこがあるかないかでクロガシラと見分けられる。これはマコだ」と明快に言われた。うれしくなり、それほど大きくもないのに張り切って5枚におろして刺し身にした。マコガレイと信じたせいか、歯応えと甘みのある上質な味わいだったのは忘れない。
カレイに詳しい隣人は「苫小牧では3月下旬から5月上旬に限って釣れる」と解説していた。当時、苫小牧漁協の幹部にその話をしたら「苫小牧でもいくらか上がるが、漁場になるほどの資源量はないようだ。見分けるのも難しい」と話していた。
インターネット上では愛好者が苫小牧で釣ったマコガレイの画像が散見される。資源量は当時と変わっただろうか。(司)









