苫小牧市弥生町のとまこまいレディースクリニック(芦原康氏院長)は9月末で、入院分娩(ぶんべん)の受け入れを終了する。24時間態勢での対応に必要な人員の不足、コスト負担増などが主因。市内で分娩に対応できる医療機関は苫小牧市立病院と王子総合病院の2カ所となる。婦人科疾患の診療や手術、不妊治療、産科に関わる分娩以外の妊婦健診などは10月以降も継続する。
同クリニックは1977年、前身の水元産科・婦人科医院が開設。当時は月に60件ほど分娩を手掛けることもあった。2005年に医院名を改称。「優しい自然な形での分娩」にこだわり、助産師による分娩管理などに取り組み、地域に密着した診療活動を推進した。
市内の出生数は2011年に1515人に上ったが、20年は1152人まで減少。全国的な少子化が進む中、実家などに帰省して出産する「里帰り出産」で、登別市や千歳市など市外からの利用者もおり、近年は月に30件ほどの分娩を受け入れてきた。
芦原院長は「分娩数は減少傾向にあるがあらゆるリスクを想定し、緊急対応のために24時間態勢で人員を配置しなければならず、コスト面を含めて継続は厳しかった」と説明。後継者不在やスタッフの高齢化も考慮し、分娩受け入れ終了を決断した。今後も妊婦健診は続け、希望する患者には、市立病院や王子総合病院を紹介する。
市立病院は現在、新型コロナウイルス患者を受け入れているが、周産期医療の体制は維持。同院は「クリニックでお産を扱い続けるのは大変だったと思う」と長年にわたる地域の分娩体制への貢献をねぎらった。その上で、「限られた人材で地域の周産期医療を守っていくため、市医師会や行政との連携をより強化しなければならない」と述べた。
















