白老元陣屋資料館で特別展 仙台藩ゆかりの技紹介 伝統的工芸品並ぶ 来月15日まで

国の伝統的工芸品に指定されている「宮城伝統こけし」などが並ぶ会場

 白老町の仙台藩白老元陣屋資料館で、「仙台藩ゆかりの”DATE”な工芸展~受け継がれた美意識と伝統の技~」と題した特別展が3日に始まった。仙台箪笥(たんす)、堤人形など国や宮城県が伝統的工芸品に指定する品々を展示し、仙台藩由来の卓越した技を紹介している。会期は8月15日まで。

 宮城県では、仙台藩の時代に由来を持つ工芸品の制作が現代まで、職人の手で脈々と受け継がれている。国や県が指定する伝統的工芸品も数多い。白老町と町教委は、戦国大名伊達政宗を祖とする仙台藩由来の技や美意識を広く紹介するため、仙台市との歴史姉妹都市提携40周年の記念事業として特別展を企画した。

 会場では、国が伝統的工芸品に指定する宮城伝統こけし、雄勝硯(おがつすずり)などをはじめ、仙台御筆(おふで)、仙台張子・松川だるま、堤焼、堤人形、仙台七夕飾りなど約50点を展示。日本が誇る伝統技術を紹介している。中でも、唐獅子などを描いた手打ち金具の装飾と漆塗りが見事な仙台箪笥(国指定伝統的工芸品)、伊達政宗が所持していた硯(複製)も目を引く。仙台箪笥や仙台御筆の作り方を体感できるコーナーも設けた。

 初日の3日は開幕セレモニーを開き、戸田安彦町長があいさつで「歴史姉妹都市の関係がこれから50年、100年と続いていけば」と期待を寄せた。引き続き、東北歴史博物館(宮城県多賀城市)の須賀正美副館長と千葉正利学芸部長が来館者に展示品を解説した。

 初日に会場を訪れた町日の出町の岩﨑良子さん(74)は「どれも素晴らしい工芸品で感動しました」と話し、展示品の数々に見入っていた。期間中の開催時間は午前9時半から午後4時半で、月曜休館。入館料は一般300円、小中学生150円、白老町民は無料。問い合わせは仙台藩白老元陣屋資料館 電話0144(85)2666。

 白老町と仙台市は、幕末に仙台藩が蝦夷地(北海道)防衛拠点として白老に元陣屋を築いたことを縁に1981年、歴史姉妹都市を締結した。資料館を構える元陣屋跡は「白老仙台藩陣屋跡」として国の史跡に指定されている。

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