専任の職員が地域を巡回して小中学生や高校生などの指導に当たる、苫小牧市少年指導センター。2020年度は新型コロナウイルス流行下で子どもの外出機会が減ったものの、指導件数が前年度比12・5%増の3372件に上った。同センターはインターネットの普及で子どもが抱える困り事が見えにくくなっており、より多くの大人の見守りが必要となっていると訴える。7月は犯罪や非行のない明るい地域社会を目指す「社会を明るくする運動」強化月間―。
同センターは18歳未満の子どもの非行や事故、犯罪被害などを防ぐため、市青少年課内に設置されている。4人の指導員が毎日、午前と午後、小中学校の近くや公園、河川、海岸などを巡回するほか、月に4回程度、夜間巡回も実施。子どもへの指導のほか不審者や危険箇所がないかなどの見守り活動にも当たる。
年間の総指導件数は16年度3475件、17年度3713件、18年度2866件、19年度2998件と推移。新型コロナの影響で小中学校や高校の一斉休校、イベントの中止が相次いだ20年度は3372件のうち、約4割の1477件が道路歩行や自転車乗車時のマナー違反に関するものだった。公園などでの危険行為に関する指導(713件)、帰宅を促す指導(776件)もそれぞれ約2割と目立った。年齢別にみると、小学生が7割を占めた。
同センターの指導担当、吉村隆志さんは「かつて社会問題となった喫煙や飲酒、シンナー遊びといった非行はほとんど見られなくなった」とした上で、話を聞いてもらいたい様子だったり、どこにも居場所がないことを訴えたりする子どもが目立つと指摘。「コロナの影響もあってか、子どもたちは大きなストレスを抱えているようだ」と話す。
インターネットの普及で、子どもがネット上でトラブルに巻き込まれる事例も多発しており、吉村さんは「子どもが抱えている問題が表面化しにくくなっている。子どもに寄り添う大人の存在が、今まで以上に重要になっている」と訴える。
苫小牧では、更生保護や防犯の関係団体などでつくる「社会を明るくする運動苫小牧地区実施委員会」(事務局・苫小牧市)が啓発活動を展開。犯罪や非行のない社会づくりに取り組んでいる。強化月間中は道南バスの車内や公共施設にポスターを掲示し、市民に関心を持つよう呼び掛ける。
運動初日の今月1日、菅義偉首相のメッセージを岩倉博文市長に伝達した苫小牧地区保護司会の二階堂徹副会長は「犯罪や非行からの立ち直りには幼少期に親や祖父母、地域の大人から愛情を受けた経験の有無も関係している」と説明。「犯罪や非行のない社会づくりには、地域全体で子どもに愛情を注ぐことが大切」と強調していた。
















