安平町教育委員会は、早来地区における2023年度の小中一貫の義務教育学校開校に伴い、学校統合の考えを示していることについて、遠浅小学校、遠浅地区からはやきた子ども園に子どもを通わせている42世帯48人を対象に行った統合に関する意向調査結果をまとめた。義務教育学校に「通わせたい」と答えたのは13世帯(17人)、「通わせたくない」と回答したのは11世帯(12人)で、ほぼ同数となった。
意向調査はこれまでの説明会、検討会を踏まえ、遠浅小の保護者、地域住民との議論が「再度必要」と判断したため実施した。
今月2~9日、遠浅小に通う1~4年生の保護者26世帯(児童31人)、遠浅地区からはやきた子ども園に通う年中、年長児の保護者16世帯(園児17人)にアンケートを郵送し、計28世帯(33人)の回答を得た。
小学校、子ども園を分けてみると、遠浅小の保護者の回答は、義務教育学校に「通わせたい」が7世帯(10人)、「通わせたくない」が10世帯(11人)。「通わせたい」理由は、▽子どもの競争意識を高めることができる▽たくさんの人と子どもが接することで視野が広がれば▽子ども園から仲の良い友達が早来小へ通っているから―など。「通わせたくない」理由は、▽学年に関係なく仲良くなれる▽教員と保護者の人間関係の距離感が近い▽小規模の学校に通わせたかった▽環境を変えたくない―などがあった。
園児の保護者の回答は、「通わせたい」が6世帯(7人)と多く、「通わせたくない」が1世帯(1人)。「来年の新1年生から早来の学校に入学できるようにしてほしい」という要望や「早来の学校に通学できるようになる時期が遅れるのはデメリット」という意見があった。
また、無回答と答えた人の中には、「23年度の6年生は全員で遠浅小を卒業させたい」との意見をはじめ、「複式学級ではなく、単級で学ばせたい」「スクールバスが出るなら通わせてもいい」との声があり、「どちらとも言えない」と判断を見送る回答もあった。それ以外では「(遠浅小に)残りたい人のことを考えると、柔軟な対応も必要では」「遠浅には(検討する)時間が必要」「行きたい人と残りたい人で様子を見ては」などの声があった。
町教委は23年度に開校する小中一貫の義務教育学校に合わせて、早来、遠浅、安平の3小学校と早来中学校を義務教育学校に統合する方向にかじを切って協議。一方で遠浅小の保護者からは「子どもや保護者、地域住民が気持ちの整理や統合に向けて準備をする期間がほしい」「閉校の時期を少し待ってもらえないか」といった声が寄せられていた。
今回の結果について、町教委は「今まで聞くことがなかった義務教育学校に『通わせたい』という保護者の声があり、義務教育学校に移りたいという声も予想以上にあった」と分析。これらの意見を踏まえながら、今月下旬に再度意見交換の場を予定している。

















