宇宙体験

宇宙体験

 米「アポロ11号」搭乗の宇宙飛行士が初めて月面に降り立った1969年7月20日からきょうで52年。「一人の人間にとって小さな一歩だが、人類には偉大な飛躍」―。

 アームストロング船長の至言が発せられた日のテレビ中継映像に子供の小職も驚きを覚えて以来、宇宙探査に興味を抱き続けた。80年代には今年4月に逝ったジャーナリスト立花隆さんの飛行士インタビュー集成「宇宙からの帰還」を熟読した記憶が濃い。取材後記には〈自分も宇宙体験がしたいと痛切に思った〉とあって、共感した。

 5月に日本人飛行士の野口聡一さんが国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在を終えて帰還した。今月なら英著名実業家ブランソン氏が11日、自ら創業した企業の機体で地上と宇宙を往還。米大富豪ベゾス氏も自社開発したロケットで「11号『偉業の日』」にそろえた宇宙弾道飛行を企図するなど、巨万の富を自由につぎ込める人々が「宇宙旅行」で先駆ける出来事が続く。本道でも3日、十勝管内大樹町のベンチャー企業による無人小型観測ロケット打ち上げがあり、宇宙空間となる高度100キロ到達に成功している。

 野口さんらが属する宇宙航空研究開発機構(JAXA)は今秋、宇宙飛行士を前回から実に13年ぶりで募集するという。応募に体力、知力、気力の適性すべてを欠く中年ながら、「アポロ世代」として注目している。火星着陸あたりが人類の「偉大な二歩目」となるのか。(谷)

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