東京五輪のサッカーなど一部競技がきょう、開幕した。コロナ禍と、それによる開催延期など、この間の出来事の記憶が頭を駆け巡る。
新型コロナウイルスの検査と行動管理徹底で外部と遮断したはずの選手村では、さっそく選手らの陽性確認が連日のように発表されている。大会組織委の幹部は「(事態を)コントロールできている」と説明する。
今年2月の全国紙に載った記事を思い出した。見出しは「招致の顔 全員去る」。2013年8月の五輪招致出陣式で拳を握りしめて奮闘を誓う4人の写真付きだ。左端は五輪招致疑惑に関係した―と捜査の手が迫り不正を否定しつつも退任を表明した日本オリンピック委員会の竹田恒和前会長。2人目は都知事選を前に、医療法人グループからの5000万円受領報道で辞職を表明した開催都市・東京の猪瀬直樹元知事。右端はこの春、女性蔑視発言で組織委会長を辞任した森喜朗元首相。右から2人目は数々の疑惑にまみれながら昨年8月、持病の悪化を理由に、2度目の辞任をした安倍晋三前首相。13年の国際オリンピック委員会総会で「福島第1原発の汚染水は、アンダーコントロール(管理下にある)」と、世界に宣言をした人だ。
コロナ禍や政治家らの不祥事以外にも問題は多かった。大会マークの類似騒動があった。今は開会式の楽曲作者のいじめ前歴。開幕は、競技者や国民の、たくさんの不安を振り払うことができるか。注目したい。(水)









