安平町は、例年8月に町内で開いていた町平和祈念式典について、今年から開催を取りやめ、町内の遺族を北海道戦没者追悼式(道主催)に引率する事業に切り替えることを決めた。式典に併せて行っていた小中高生対象の広島平和記念式典派遣事業の報告会は来年以降、形式を変えて続ける。
式典は、第2次世界大戦で120人を超えた町内戦没者の冥福を祈り、未来へ命や平和の尊さを伝える機会として毎年8月に開催していた。しかし、近年は遺族の高齢化や遺族会の解散などから参加者が減少。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、一昨年は遺族の参加が6人にとどまっていた。
この状況を踏まえて町は、今年の式典開催を見送り、遺族を北海道戦没者追悼式へ無料で送迎し、慰霊の機会を確保する方向で調整。追悼式の詳細が決まり次第、遺族に出欠の案内を郵送する。今後は戦没者の名盤を追分公民館に常設し、終戦の日(8月15日)にサイレンを流す際は「(町民に)哀悼の意を示す黙とうをお願いしていく」という。
また、核兵器廃絶と世界平和を祈念して旧追分町時代から継続して実施している広島平和記念式典派遣事業については、コロナ禍により昨年、今年と派遣を中止した。来年度以降、派遣は再開し、報告会については違う形を検討する方針。

















