彼女は泣いていた。得意のサーブから思い切りのいい卓球を展開するスタイルをことごとく封じられ、感情が抑えられなくなっていた。でもまだ試合は終わっていない。頑張れ―。気付けば小生の頬にも涙が伝っていた。
23日付のコラムで東胆振選手の好成績を期待したばかり。北海道菊卓会の藤田さんが女子バンビ16強入りと目覚ましい活躍を見せてくれた。
自身の部屋の壁に「地区大会優勝、全道大会優勝、全国大会優勝」と目標を書いた紙を張り、毎回眺めているという元気で明るい子。24日の男子バンビに登場する幼なじみの田澤君(泉野2年)と一緒に昨年から卓球を始め、地区、全道両大会は早くも制した。最後の全国制覇だって決して夢じゃない。
「どうでしたか」。今大会の報道担当をしている兵庫県卓球協会の女性が声を掛けてきた。競技歴1年ほどの女の子が躍進したことを伝えると、一緒になって喜んでくれた。「東京五輪代表の石川佳純ちゃんは、同じくらいの競技歴で初めて出たこの大会でベスト64。だから彼女はもっと強くなるわね」。なんだか誇らしくなった。 (北)

















