東日本大震災で被災した福島県の親子に保養の場を提供する苫小牧の市民グループ「ふくトマ」(石田英人代表)の活動が、開始から10年目となる今夏で終了する。東京電力福島第1原発の事故で屋外活動が制限されている子どもたちに、安心して外遊びを楽しんでもらいたい―と始まった活動は、これまで延べ約130人を受け入れてきた。最後となる今年は8人の親子が29日に来苫し、自然と触れ合いながら7日間を過ごす。
原発事故後、高い空間放射線量が続いた福島県内では、健康被害への懸念から子どもたちの屋外活動が制限される地域もあった。これを受け、同県の親子を苫小牧に招き、被ばくの不安なく夏の楽しい思い出をつくってもらいたいと考えた市民有志らが2012年、「福島の子どもたちを放射能から守ろう2012実行委員会」を結成。同年7月、市内で保養活動を実施し、6組22人の親子を受け入れた。
委員長を務めた石田代表は「当初は、継続実施は計画していなかった」と振り返る。しかし、訪れた親子が土いじりや草花摘みなどの何気ない自然遊びを心から楽しんでいる様子から、21年までの10年間続けることを決定。団体名を改称し、毎年夏に親子を招いてきた。
保養期間は7日間程度で、毎年5、6組の親子が参加。市内西部の町内会館を拠点に、公園遊びや動物との触れ合い、林の散策や川遊びを楽しんだ。滞在中の食事の支度や野外遊びの補助、移動の支援、小さい子どもの面倒を見るなど、毎年延べ130人程度の地元ボランティアスタッフも参加。さらに、苫小牧で充実した日々を過ごしてもらいたいと、市内の団体や企業なども協力してきた。
13年から3人の子どもを連れてほぼ毎年参加し続け、途中からは現地スタッフとしても活動を支えてきた高野美生(みき)さん(42)=同県本宮市=は「外で遊びたい年頃の子どもを遊ばせてあげられないことに私もストレスを感じていたときに苫小牧での保養を知り、参加を決めた」と話す。「活動の楽しさに加えてスタッフの皆さんの優しさに感動し、毎年参加してきた。最後になるのは寂しいし、放射線への恐怖は消えないけど、いつまでもお世話になり続けられないので仕方がない」と語った。
最後となる今回の保養には、高野さん親子と福島市の親子の2家族8人が参加する。期間は29日~8月4日で、錦西・すずらん町内会館で寝泊りしながら芋掘り体験や公園遊び、藍染め体験などを行う。
石田代表は「大勢の皆さんの力で、目標としていた21年まで活動を続けることができた。最後となる今年の保養を無事に終わらせられるよう頑張りたい」と意気込んでいる。
















