記者コラム(5)~筆すさび「異様」

記者コラム(5)~筆すさび「異様」

 高校総体陸上が福井市で開幕した。初日から大会新記録が生まれるなど、新型コロナウイルスによる2年ぶり開催となった大舞台は東京五輪に負けじと活気を帯びている。

 ただ、いつもとは大きく様相が異なる。感染症拡大防止の観点から無観客での実施。大会の主役たちをきょうまで支えてきた両親ら観客の姿はなく、選手間の声を出しての応援も禁止だ。

 至る所に足踏み式の消毒液が設置され、各種受付場所も密集を避けるため分散して設けられている。三重(2018年)、沖縄(19年)など毎年のように高校総体陸上を取材してきた小生も今回は戸惑った。人に尋ねるのが苦手で、カメラなど取材用具一式を詰め込んだ重さ20キロ近くのリュックサックを担いで競技場外を一周。ようやく報道受け付けを発見した。

 会場は「9.98スタジアム」の愛称が付く。2017年9月に同競技場で行われた日本学生選手権男子100メートル決勝で、桐生祥秀(当時東洋大4年)が日本人初の10秒台の壁を破る9秒98を記念したもの。縁起がいい舞台で、どんなドラマが誕生するのか。願わくば表彰台に上がる東胆振勢の姿が見たい。(北)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る