東京五輪がきょうとあすで閉幕する。真夏の東京の暑さを避けて札幌に会場を移した男女マラソンと競歩は、結局本州とあまり変わらない猛暑の中での開催になった。
かすかにでも、北海道の秋を含んだ風を選手の皆さんに―とは思うが間に合うかどうか。
きのうは男子サッカー3位決定戦で日本がメキシコに完敗。今夜はアメリカとの金メダルを懸けた野球の決勝を見る予定。見慣れた競技が中心だが、それなりに応援した。「自宅でテレビ観戦を」との呼び掛けの順守具合は来月の電気料金の請求額で分かる。少し冷静になったのか、大会のあれこれを考える。競技のほとんどが新型コロナウイルス感染対策のため無観客となって結局、開催経費はいくらになったのか。国や開催都市・東京の負担の変化はどうか。そんなこともふと心配になる。
五輪の盛り上がりと歩調を合わせるようにコロナウイルス感染が爆発的に増えた。きのうの新規感染者数は東京で4515人、全国で1万5645人。国内の累計は、ついに100万人の大台を超えた。専門家も見通せないという、第5の感染の山の高さが怖い。これからも政治や行政の迷走は続くのか。五輪の閉幕後が、不安の本番だ。
「五輪は政治の安定剤でしたから」。きのうのテレビで自民党の若手代議士が話していた。せきを切ったように自民党総裁選や総選挙への動きが表面化するようだ。逃げようのない湿度と熱気の秋が、始まる。(水)









