共通の思い

共通の思い

 東京五輪が閉幕した。命を左右する感染症が流行する中、日本の選手たちは史上最多の総メダル数58個を獲得して大活躍。コロナ禍の私たちに、たくさんの感動を与えてくれた。

 開催国の選手は時差や気候に慣れる必要がない分、他国の選手よりも有利で、ある程度のメダル獲得は期待できる。そう考えると、日本が2020五輪の開催国に選ばれた際には、「東日本大震災の被災者たちを自国選手の活躍で元気づけよう」という諸外国の配慮があったのかもしれない。

 ただ、開催準備が始まると、復興五輪はたちまち薄れた。公式エンブレムが盗作疑惑で使用禁止になったり、大会組織委員会の会長が女性蔑視発言で途中交代したり、スポーツ以外の問題が多発したからだ。しかも感染症の流行で、大会は1年延期され、大半の競技・試合会場は無観客になった。それでも感染予防に努め、練習を重ねて本番に挑んだ選手たちには、心から敬意を表する。

 コロナ下での五輪の是非については、選手、関係者、宿泊施設・飲食店経営者、感染者、医療従事者、そして置き去りにされた感のある震災被災者たち、さらに私たちも、これからきっと考える。正解はなく、結論も立場で違ってくるが、開催期間中に新規感染者数が急増したことで、一層複雑なものになりそうだ。それでも共通の思いは、今後の衆院選の結果で知ることができるのだろう。(林)

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