長野県出身の社会活動家、伊藤千代子(1905~29年)の人生を描いた劇映画「わが青春つきるとも―伊藤千代子の生涯―」(120分)を手掛ける桂壮三郎監督(73)=埼玉県所沢市=が6日、苫小牧市役所で記者会見し、来年3月の完成予定を発表した。同6月以降、市内での上映を予定している。千代子は国民主権や男女平等を訴え続けるも国の弾圧を受け、24歳で死去した。獄中で書いた手紙が市立中央図書館に保管されており、書面が劇中に登場する。
共産党員の千代子は治安維持法違反で投獄され、拷問を受けて転向を迫られるが、屈することなく仲間を励まし続けた。夫・浅野晃の変節に直面しながら、急性肺炎で亡くなるまでの一生涯を描いたヒューマンドラマ。浅野は戦後、知人の招きで苫小牧で過ごした縁もあり、千代子が義母、義妹に自身の心境などをつづった手紙4通を当時の中央図書館長に託していた。
主演の千代子役には、新人女優の井上百合子さん(26)を起用。桂監督が「雰囲気や顔立ちが本人に似ている」と、約40人の応募の中から抜てきした。脇はベテラン俳優勢が固める。
撮影は、千代子の故郷である長野県をはじめ関東周辺で10月から11月上旬にかけて行う。手紙は同図書館から貸し出しを受ける予定。桂監督は「最期まで自分の思いを貫いた千代子の姿を通し、現代の若い子たちが政治について考えたり、声を上げたりするきっかけになれば」と語る。
















