東京五輪の路上競技は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、観戦自粛が呼び掛けられたが、雰囲気だけでも五輪を―と沿道で見物客が密になる場面が目立ち、自粛を徹底させる難しさが浮き彫りになった。札幌で行われた競歩、マラソンでも選手を間近で見られる交差点付近に大勢が集まっていたが、密以外にもう一つ気になったのが、人々が選手に向けるスマートフォンカメラの構え方。「片手持ち」の人が多かったことだ。
テレビの情報バラエティー番組でやっていた、写真撮影時のスマホの持ち方で年代が分かるという話を思い出した。デジタルカメラ同様、ぶれないよう両手でしっかりと持つのが普通だと思っていたら若年層は片手で持ち、親指でシャッターを押すのが一般的だという。若者の自撮り文化も背景にあるという解説を聞いて納得した。
さて、コロナの感染者はワクチンが行き届いていない若年層で拡大している。従来株から感染力が強いデルタ株への置き換わりが進む中、部活動での集団感染が目立っている。今月苫小牧で開かれた全国高校選抜アイスホッケー大会で、出場校から発生したクラスター(感染者集団)も拡大している。全国の自治体が飲食店の時短や医療体制の強化など「第5波」への対応を試行錯誤しているが、ワクチン接種はこうした局面でも年齢を分けてやるしかないのか。スポーツ活動絡みの感染予防、若年層対策が急がれる。(輝)









