カムイノミの火を聖火皿に 大会の成功祈る 採火式 白老

カムイノミの火を聖火皿に 大会の成功祈る 採火式 白老
カムイノミの火を聖火皿に移す関係者

 東京パラリンピック(24日~9月5日)を前に白老町で16日、聖火の採火式が行われた。道内各地で展開された採火行事の一環。会場の白老アイヌ民族記念広場(高砂町)で関係者は、アイヌ民族の儀礼カムイノミの火を聖火皿にともし、大会の成功と新型コロナウイルス感染流行の収束を祈った。

 「しらおい多文化共生の火」と銘打った採火式は、新型コロナ感染拡大防止のため無観客で行った。会場ではまず、白老アイヌ協会がカムイノミを実施。アイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)のポロチセ(伝統家屋)から運んだ火を囲み、同協会文化担当理事の新井田幹夫さん(70)が祭司を務めた儀礼で、アペフチカムイ(火の神)にパラリンピックの安全な開催と成功を祈った。

 その後、戸田安彦町長と神戸典臣道議、同協会の山丸和幸理事長、社会福祉法人天寿会の堂前文男理事長の4人が、儀礼のいろりの火を点火棒で聖火皿へ移した。

 聖火皿(直径29センチ、高さ18センチ)はアイヌ文様を描いた陶器で、町内の陶芸作家前田育子さん(53)が器を作り、文様デザインはアイヌ文様刺しゅう作家の岡田育子さん(72)が担当した。神の火をともした聖火皿を前に戸田町長が主催者あいさつに立ち、「コロナに負けない世界など、さまざまな願いを込めた火が無事に東京へ届くことを祈っている」と述べた。また、山丸理事長は「火の神がパラリンピックを見守ってくれれば」と話した。

 パラリンピック聖火の採火式は12~16日に全国各地で行われ、それぞれの地域でおこした火を大会開催都市・東京に集める。

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