屋外写真展

屋外写真展

 白老町虎杖浜で興味深いイベントが計画されている。王子製紙苫小牧工場カメラ会に所属した故山崎壽昭さんが、昭和30~40年代の虎杖浜の姿を捉えた写真を屋外展示するアートプロジェクトだ。

 「歩いて巡る屋外写真展・虎杖浜/アヨロ」と題した催しを27日から開くのは、白老町民やアーティストでつくるウイマム文化芸術プロジェクト実行委員会。海産物ロードとも呼ばれる海岸通りの水産倉庫や民家の車庫、プレハブ小屋など建物の壁15カ所に、拡大印刷した写真を貼り付ける手法で展示する。縦と横の長さが8メートル前後の巨大な作品もあり、昭和中期の懐かしい風景をまちによみがえらせるというユニークな企画だ。

 虎杖浜は水産業で発展してきた地域だ。海岸浸食が進んでしまったけれど、昔は前浜が広がり、そこから漁師が船を出した。女性らも総出で水揚げされた魚を干したり、行商に向かったりと活躍した。そうした往時の光景を各所に出現させ、徒歩で鑑賞してもらう周遊型展覧会は白老で初の試み。高所作業車も使って展示に当たる関係者は虎杖浜の独特な風土、文化を体感してほしいと準備に余念がない。

 インスタ映えもする展示写真を見てふと思った。10月11日までの期間を終えた後も作品を残せないものかと。アクリル塗料で表面を固めれば長く持つ。もちろん建物所有者の理解は必要だが、芸術文化を楽しむ観光アートツーリズムの資源になる。地域振興に役立つはずだ。(下)

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