緊急事態発令目安上回る 若年層、家庭内で急拡大 市内コロナ感染状況 医療体制に影響も 危機感強く

緊急事態発令目安上回る 若年層、家庭内で急拡大 市内コロナ感染状況 医療体制に影響も 危機感強く
苫小牧市内の新型コロナウイルス感染者数

 苫小牧市内で新型コロナウイルス感染症の拡大が続いている。7月下旬以降は緊急事態宣言発令の目安となる「ステージ4」を大きく上回る。市内でも感染力が高いデルタ株(インド由来の変異株)への置き換わりが進んでいるとみられ、若年層、家庭内の感染が急拡大。苫小牧保健所は「憂慮される事態」と危機感を強め、感染対策の徹底を改めて呼び掛けている。

 道が6月20日の週(日~土曜日)から公表している市町村ごとの新規感染者データによると、苫小牧は公表当初は3週連続で10人以下だったが、7月11日の週以降は右肩上がりで最高を更新し続けている。直近の8日の週は58人に上った。人口10万人当たりの新規感染者数も7月18日の週に18・8人となり、国の基準の「ステージ3」(15人)を突破。翌25日の週には26・5人と「ステージ4」(25人)を超えた。直近の8日の週は34・2人。

 新たなクラスター(感染者集団)は7月に3件、8月は19日までに3件発生。内訳は事業所2件、建設工事現場、遊技施設、全国高校選抜アイスホッケー(IH)大会、高校の部活動が各1件。IH大会は市内最大のクラスターに発展した。

 7、8月の市内感染傾向について、苫小牧保健所は「若年層の感染が拡大している」と指摘。感染者数の年代別で30代以下が60%以上を占め、「クラスターで10代に広がった他、行動範囲の広い20代が多い」と分析。無症状の感染者が、無意識のまま感染を広げるケースが多いという。

 さらに家庭内感染の増加が特徴。7月までは事業所系クラスターが感染者数を押し上げ、家庭内感染は全体の約20%だったが、8月に入ってから35%程度に上昇。「夏休みなどで家族、親戚で集まる場面も増え、1人でもコロナを持ち込めばほぼ全員が感染している」と説明する。

 ワクチン接種が進んでいない40~60代、いわゆる父母世代の感染も年代別で30%以上を占めるといい、「無症状でも感染するリスクを自覚してほしい。コロナを持ち込まない意識を」と強調。不要不急の外出、往来自粛など感染防止対策の徹底を求める。

 一方、ワクチン接種が進んだ65歳以上の感染者数は減少し、「市内の医療体制は逼迫(ひっぱく)していない」と説明。ただ、入院が必要な感染者に即応するため、重症化リスクを見極めた上で自宅療養にとどめるケースが多く、「感染拡大が続けば医療体制に影響が出る」と危機感を示す。

 感染症病床24床を持つ市立病院では、7月中旬の病床の使用が4~6床程度で推移していたが、同月末には約10床までに増え、現在の病床使用率は4~5割ほどに上る。担当者は「高齢者や基礎疾患を抱える人のワクチン接種が進んでいることが奏功し、重症化する人が少ない。一方で50代以下の患者が多い」とし、「分母の感染者数が増えれば、おのずと一定の割合で重症者は増えてくる。予断を許す状況ではない」と警戒する。

 感染症病床を6床、発熱などコロナの症状が疑われる患者用の4床を6月に新設した苫小牧日翔病院でも、感染症病症の使用率は5割程度で推移している。担当者は感染者数の急増に懸念を示し、「一人一人が気を引き締めて感染防止対策に当たる必要がある」と話した。

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