働く喜び毎日充実 83歳の池野京子さん(泉町)、60年前勤務支笏湖で息子の仕事手伝う

「青春時代に戻ったような気持ちで働いている」と池野さん

 傘寿を迎えてなお、働く喜びをかみしめながら日々、仕事に打ち込む女性がいる。苫小牧市泉町の池野京子さん(83)。千歳市のモラップキャンプ場内の次男が営む飲食店で、2年前から調理スタッフとして厨房(ちゅうぼう)に立っている。約60年前、苫小牧市営バスの車掌として同キャンプ場をたびたび訪れていたという池野さんは、「青春時代を過ごした場所で再び働く機会に恵まれ、身も心も若返ったよう」とほほ笑む。

 池野さんは釧路市出身。1955年、苫小牧市営バスの車掌として採用され、路線バス乗務を始めた。

 当時、若者の間では登山やキャンプがブームで、市営バスの支笏湖線も大きな登山リュックを担いだ若者・通称「カニ族」で大にぎわい。池野さんが同線に乗務する際は乗客を楽ませるために要所で簡単な案内をしたり、モラップキャンプ場で休憩を取ったりし自身も支笏湖の風景を楽しみながら仕事に打ち込んだという。

 15年ほど勤務した後、退職。町内会活動や革小物教室の講師活動などに励み、以前のように支笏湖へ頻繁に足を運ぶ機会はなくなっていた。

 転機は2019年春、次男の池野尋隆さん(56)が以前勤めていた職場を退職し、モラップキャンプ場で飲食店「カフェランチストア Hoo―Hoo!(ホーホー)」をオープンさせたこと。

 店では尋隆さんが釣ったヒメマス(チップ)を使った料理やタイ料理、ソフトクリームなどの軽食を販売しており、料理好きの池野さんも息子の再出発を応援しようと、調理スタッフとして勤めるようになった。

 池野さんは主にポテトサラダや揚げ芋、松前漬けの調理を担当。大人気の揚げ芋はメークインを塩煮し、砂糖で味付けした後に衣を付けて揚げる。ほくほくとした食感と、しっかりとした芋のうま味を楽しめる一品で揚げ芋目的で何度も店を訪れる人もいるという。

 80代になって、再び働き始めた池野さん。最初は体力に不安もあったというが、「仕事はとても楽しくて、毎日やりがいを感じている」と話す。支笏湖地区は20代に働いていた思い出の場所で「あの頃と変わらない風景も多く、まるで青春を取り戻したかのような気持ちになる。こんな機会をつくってくれた息子には感謝ですね」と笑顔をはじけさせた。

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