本紙の「なんでもトーク」欄で「焼き肉論争」が起きている。「暑くて窓を開けたら、隣家が外でしている焼き肉の臭いと煙が家の中に充満」と6日に掲載された投書が始まり。11日には「洗濯物に臭いが付くので暑いのを我慢して窓を閉めるしかなく、熱中症になりそう」と50代主婦から。すると16日に「公園の密を避けて家族だけでするというなら、片目をつぶってあげましょうよ」と70代市民。「バーベキュー派」の読者は「短い夏を楽しむのと、コロナ禍でどこにも行けない状況に鑑み、少しだけ目をつぶっていただければ。ご迷惑を掛けて申し訳ありません」
どちらの言い分にも理由があり、うーんとうなっていたら、20日に「時間を決めてしたり、隣家に一言伝えたりすべきでは」と60代女性。焼き肉と一緒にするなと言われるかもしれないが、焼き肉でも政治でも国際社会でも、意見の異なる相手の立場に立って考え、話し合い、なんとか一致点を見いだそうとする努力を、時間がかかっても続けることでしか道は開けないのだと気付かされる。
東京五輪は議論がかみ合わないまま開催され、終わった。新型コロナウイルスの感染は爆発的だ。お盆が過ぎ、すっかり秋めいた苫小牧で、庭で焼き肉ができる日はあと何日もないだろう。今年の夏に起きたことを、終わったこと、で済ませてしまってはいけない。あすから始まるパラリンピックでまた感動の渦に包まれたとしても。(吉)









