苫小牧市北光町で2020年11月に起きた幼児死体遺棄事件をめぐる市の対応について、市は25日の記者会見で、市民から提供を受けた情報の共有や他の部署との連携に改善の余地があるとする検証結果を公表した。一問一答は次の通り。
―検証結果に対する市長の受け止めは。
岩倉博文市長 これで終わりではなく、今回の事件を教訓にして二度と起きないような組織、職員としてどうあるべきかと考えていかなければ、同じような事件がまた起こり得る。そのことだけは避けなければならない。第三者からの情報提供時の対応や仕組みを考え直し、マニュアルを時代に合ったものに変える努力も含め、検証結果を基に踏み込んで取り組む必要がある。
―市の対応に問題があったという認識か。
山本俊介総務部長 市民が(2019年11月~20年11月の間に)5回、市に通報したという話がある中、残念ながら市の方で記録がなく、電話を受けた職員の記憶もない状況で、電話があったかどうかをお答えできない体制が問題と思っている。
―なぜ対応できなかったのか。
総務部長 情報提供者が言う内容(「子どもがいるのに普通に生活できる状況ではない」などと電話したと証言)であれば、地区の担当ケースワーカーと相談し、対応も可能だったのではないか。生活支援室の初動で何らかの動きがあれば、もう少し違った結果になった可能性は否定できない。
―検証結果は生活保護の部分まで踏み込んで公開したが、当初、市は公開しない考えだった。
総務部長 基本的に通報の有無は個人情報で公開すべきではないというスタンスだが、新聞(苫小牧民報7月8日付)に(母親の)インタビュー記事が掲載され、個人のプライバシーに関わる内容だった。市も裁判が終わったばかりの4月ごろ、本人に情報公開をどう考えるのか聞いたところ同意を得られず、公開できないと考えていた。しかし、新聞記事が出たので、われわれも再度確認したら、本人も「構わない」ということで、おそらく心境の変化もあったと思う。
―検証委員会の所見として「各部署が役割を果たしていた」と記述があるのは、どのような意味か。
総務部長 早かった、遅かったの批判はあるかとは思うが、関係課が家庭訪問などを行っていたということでは、役割は一応果たしていたのではないかと思い、記載した。
―子ども食堂や地域食堂なども情報を持っているが、一緒に連携を図り何かしらの心配がある家庭を見守る考えは。
総務部長 子ども食堂などが子どもの情報、家庭の情報を把握している可能性が高いと思うので、他の団体との連携も当然、強化をしていかなければならないと考えている。
メ モ
幼児死体遺棄事件 2020年11月、北光町のアパートに住む母親が苫小牧署に出頭し、浴槽で事故死した長男(当時2歳)の遺体をクローゼットに隠していたと話した。母親は今年3月、死体遺棄罪で執行猶予付き有罪判決を受けた。事件前、母親の生活状況を心配したアパート管理会社の男性が市に5回電話をしたと証言している。
















