厚真の吉野地区の献花台 花を手向け犠牲者悼む「悲しみ消えない」

厚真の吉野地区の献花台 花を手向け犠牲者悼む「悲しみ消えない」
献花台に手を合わせる町民ら=6日午前10時ごろ

 胆振東部地震から3年を迎えた6日、大規模土砂災害があった厚真町吉野地区の献花台では、遺族や町民らが訪れて花を手向け、犠牲者に祈りをささげている。

 厚真町では、関連死を含め37人が地震で亡くなり、うち吉野地区は土砂崩れで19人が犠牲になった。町はお盆時期の8月に引き続き、今月4~6日に献花台を設置。犠牲者を悼み町内外から多くの人が訪れている。

 弟で町職員だった中川信行さん(当時62)を亡くした札幌市西区の山口康子さん(75)、安平町の三浦裕子さん(69)姉妹は「(中川さんは)まじめで明るかった。末っ子の長男だったけど、家のことはすべて任せていた」と懐かしみ、「地震の日は何回電話してもつながらなかったが、役場で仕事をしていると思っていた。まさか亡くなるなんて」と涙ぐんだ。「3年はあっという間だった。悲しみは消えない」と静かに手を合わせた。

 アルバイト先で一緒に働いていた中川さんの妻久美子さん(当時58)らに祈りをささげた厚真町新町の高田真裕美さん(43)は「同じ町内でも吉野に来るのはつらい。家もなくなって風景が変わった」と献花台周辺を見やり「昔みたいな活気が戻ることはなくても、忘れられていくのは寂しい」と吉野地区の今後に思いをはせた。

 親戚の滝本芳子さん(当時95)、卓也さん(同39)、舞樺さん(同16)の3人を失った厚真町宇隆の佐藤功さん(80)は「あの世でゆっくりして」と冥福を祈りつつ「普段はなるべく考えないようにしていたが、3年たって改めて写真を見て思い出し、やはりつらい」と話していた。

 中学校時代の親友だった松下一彦さん(当時63)を弔った北広島市の藤根悦雄さん(66)は「(松下さんが)まだ元気でいる気がしてならない」と沈痛な面持ちで語った。「60歳の時の同窓会で会ったのが最後。飲みながら『お互い見た目が変わったな』と笑い合った。本当に残念で仕方ない。3年しかたっていないなんて」としのんだ。

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