防災月間に

防災月間に

 9月は防災月間。3年前の6日には胆振東部地震が起きており、震災や防災の行事が被災地などで行われている。

 一つが、先月下旬の深夜に安平町の道の駅から生放送されたテレビ番組。歌手のさだまさしさんが出演し、震災にちなむ内容で番組を進めた。国内の避難所などを巡っているさださんは「被災地で一番生き生きしているのは子供。頼まれ事をされて頑張れるし、家族で長い時間を過ごすようになったからです」と語っていた。

 この数十年は大きな地震が多発した。胆振東部地震はもちろん、新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(11年)、熊本地震(16年)。多くの命が奪われ、子供も大勢被災した。小さな体に受けた揺れの感覚、車や家屋を押し流す土砂や津波を見た衝撃は大人以上だったはず。しかも突然、身内や友達、生活や学びの場を失い、わが身に起きた不条理を受け止め切れなかったのでは。それでも全国からの救援物資や復旧支援に感謝し、周りのためにできることを考えて懸命にした。

 そんな子供たちが成長し、徐々に社会に出ている。亡くなった友達の分まで生きよう、人を助けられる大人になろうと心に誓って生きてきた者たちは、誰も食べ物に困らない豊かで平和な世にしようと働いてきた世代とは、別の価値観で社会を動かしていく。時代が緩やかに移り変わろうとしていること、そして被災が及ぼす影響力の大きさを改めて感じている。(林)

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