苫小牧市内では今年度もヒグマの目撃が相次いでいる。4~8月に市に寄せられた目撃情報は、前年同期比1・6倍の29件に上る。市内で人畜への被害は確認されていないが、道内では6月に札幌市東区の市街地で住民が襲われるなど、人間の生活域での出没が目立っている。10月31日までは道の「秋のヒグマ注意特別期間」で、市や苫小牧署など関係機関・団体が警戒を強めている。
市環境生活課によると、今年度は4月26日、柏原の市道で体長約2メートルのヒグマ1頭が目撃されたのを皮切りに、植苗の国道36号や高丘、丸山の同276号を中心に出没が相次いでいる。
特に千歳市の支笏湖につながる国道276号での目撃例が8件(前年同期比5件増)と多い。6月21日には高丘森林公園内を散策中の男性が、体長約2メートルのヒグマ1頭を目撃。うなり声が聞こえたため、見回すと10~15メートルほど先にいたという。
同課は6月18日、札幌市東区の住宅街などでヒグマが住民ら4人を襲った事故を契機に一層警戒を強めており、直後には高丘の道央道苫小牧中央IC入り口付近で、支笏湖につながるサイクリングロード利用者への啓発活動を実施。先月は高丘霊園内で、墓参に訪れた市民らに注意喚起のチラシを配った。
今月は4日午後8時すぎ、樽前の国道36号を体長約1・5メートルの1頭が横断した。現場は別々川に架かる「別々橋」から約300メートル東の地点。13日午前2時半ごろには、錦岡の市道を横切る同約2メートルの1頭が目撃された。現場は北洋大学から南に約500メートルの茂みが広がる一帯だった。
道は4~10月末を「秋のヒグマ注意特別期間」に設定。環境局自然環境課はヒグマに襲われないために単独で野山に入らないことや食べ物やごみを放置しないこと、ふんや足跡などヒグマの痕跡を見つけたら引き返し、警察に通報することなどを求めている。
北海道猟友会苫小牧支部長の荒木義信さん(83)も「9月はデントコーンなど収穫時期を迎えた農地にヒグマが出没しやすい。山菜、キノコ採りで山林に入る際にも、くれぐれも警戒を怠らないでほしい」と訴えている。
過去5年間の4~8月のヒグマの目撃件数は2016年19件、17年10件、18年26件、19年35件、20年18件で、今年は19年に次ぐ多さとなっている。
















