総裁選び

総裁選び

 自民党の総裁選挙が17日に始まり、出馬した4氏の主張や党員、国会議員票の行方の報道が連日、新聞各紙やテレビなどで繰り広げられている。候補の中には、記者とのやりとりや討論会を通して発言の軌道を選挙の前後で変化させている人もいる。新リーダーが決するのは29日。最終的な議員票の動きを見定めれば、今後の政治のかじ取り、人事に誰が影響力を持つのかが分かる。

 それにしても1年余の菅政権で政治のもやもやは随分増えた。日本学術会議の任命拒否、菅氏の長男が関わった総務省幹部の接待問題に加え、選挙の買収で有罪判決が出た河合夫妻側への自民党本部からの1億5000万円の支出で使途の具体的な説明はないままだ。汚職事件も表面化した。菅氏が推し進める統合型リゾート施設(IR)の汚職事件では当時副大臣の現職議員に実刑判決が出たばかり。

 菅氏はこれ以外にも東京五輪の開催や新型コロナウイルス関連の政策、緊急事態宣言の判断に対する報道の取材や国会論議で露骨に論点をずらしてかわし、実質的に無視してきた。口では「丁寧に説明する」と繰り返しながら。この流れは公文書の改ざんや廃棄、国会の虚偽答弁が横行した森友、桜を見る会の問題を含め、ゆがめられた行政の疑念を残したまま棚上げした安倍政権以降続いている。底流にあるのは権力の私物化だ。これこそ「悪夢のような」政治と思う。この流れは選挙で変わるか、光は見えてくるか。(司)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る