白老町認知症の人と家族などの会(平野弘会長)は、高齢者施設の入所者と家族のオンライン面会を支援する事業を始めた。新型コロナウイルス対策で直接面会を制限し、代わりにオンライン面会を導入する施設が増えている中、同会は入所者家族の会員を対象に遠隔面会をサポートする。
事業は町総合保健福祉センターに、高齢者施設入所者と家族とのオンライン面会の場を設置。同会事務局の職員がパソコン操作を代行したり、指導したりして面会を支援する。今月17日に初めて実施し、自宅にパソコンやインターネット環境がない70代の女性が支援事業を利用。同会事務局のパソコンを使い、町内の特別養護老人ホームに入所する80代の夫と画面を通じて顔を見せ合いながら、15分ほど会話した。
面会を終えた後、女性は「コロナ禍の中で面会できずにいたが、元気な顔が見ることができて安心した」と話した。
新型コロナウイルス感染が拡大した昨春以降、認知症の高齢者を受け入れている施設は、入所者と家族との直接面会を制限。高齢者が感染すると重症化するリスクが高く、施設内にウイルスが入り込めばクラスター(感染者集団)発生の危険性もあるためだ。一方、面会制限が長引くと、入所者や家族の精神的な影響は大きくなり、入所者の認知症進行を招く恐れも指摘されている。
こうした中で同会は、面会機会を増やす手段としてパソコンやスマートフォンなど端末機の画面で顔を見せ合いながら会話するオンライン面会に注目。町内でもオンライン面会を導入する施設が増えていることから、入所者と家族の面会を後押しする事業を行うことにした。支援事業の一環として今月8日、スマートフォンの無料通信アプリを使ったオンライン面会の方法を伝える会員向け講習会も開いた。
同会は会員の希望に応じ、面会サポートを続けていく方針で「施設に入所する身内となかなか会えず、精神的につらいという声も会員から聞く。面会制限がしばらく続くと予想される中、オンライン面会を後押ししていきたい」と言う。

















