苫小牧市で12歳以上市民の57・4%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えた。20日現在の推計値で、順調に進んでいる。しかし一般的に集団免疫の獲得は人口の7割接種が必要。先行する海外では接種率が伸び悩み「7割の壁」とも言われる。市内ではこれから接種が本格化する若年層への普及が鍵になりそうだ。
取材先などの雑談で、ワクチン接種について意識して話題に出すが、年齢が若いほど「打たない」と言う人が多い気がする。すでに接種を終えて晴れやかな気持ちでいる自分からすると、つい「なぜ」と聞いてしまう。理由は「副反応が怖い」「自分はアレルギー体質」「どうせ利かない」「強制されるのは嫌」など、さまざまだ。
接種はもちろん個人の自由。その自由は何よりも尊重しなければならない。同調圧力などあってはならず、「打つ、打たない」で差別や偏見、誹謗(ひぼう)中傷につながるのはもっての外。接種した人が、接種していない人を、守るような思いやりぐらい、あってもいいと個人的には思う。
一方で、接種を終えても、変異株が次々と置き換わる現状では、マスク着用や飛沫(ひまつ)防止など、基本的な対策は欠かせない。これらの判断も当然、各自の自由だが、せめて横並び意識ではなく、自分の意志で決めたい。感染対策の専門家が知恵を絞って、繰り返し訴えていることに、改めて耳を傾け、判断材料にしたい。(金)









