アイヌ民族の長シャクシャイン(1669年没)をしのぶ第75回法要祭(実行委員会主催・大川勝委員長)が23日、新ひだか町静内の真歌公園で行われた。
シャクシャインは松前藩の圧迫や過酷な搾取に対し、アイヌ民族のために立ち上がり、道内各地から同族多数の参加を得て静内からクンヌイ(渡島管内長万部町)まで攻め上った。しかし、幕府の援軍に阻まれ、シベチャリ(静内地方)のチャシ(とりで)まで後退。松前藩の和睦交渉に応じたが、その席で謀殺された。
法要祭は、人間平等の理想と民族自衛のため和人と戦った英傑の霊を慰めるため、チャシがあった静内真歌の丘で毎年開催している。
例年は国会議員や各地のアイヌ協会役員を招き、1000人以上が参加するが、今年はコロナ禍の緊急事態宣言により規模を縮小し、新ひだかアイヌ協会の役員と会員、静内民族文化保存協会の約30人で行った。
シャクシャイン像の前でカムイノミ(神への祈り)の礼拝を行い、保存協会の輪踊りで終了。公園広場で行われる「ハルランナ(餅まき)」は省略し「マチェプ(サケの串焼き)」も持ち帰りとした。
大川勝新ひだかアイヌ協会長は「今年の法要祭は関係者だけの開催になってしまったが、来年、状況が良くなっていたら盛大にやりたい」と話していた。

















