苫小牧工業高等専門学校(小林幸徳校長)を含む国内の10高専が共同開発した超小型人工衛星「KOSEN―1」が10月1日、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられる。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「イプシロンロケット5号機」に搭載され、宇宙空間へ飛び立つ。高専による人工衛星打ち上げは初めてで、開発に関わった学生や教授は「どんな観測データを得られるのか楽しみ」と期待に胸を膨らませる。
「KOSEN―1」衛星開発プロジェクトは2018年12月、JAXAが公募、選定した計9基の衛星の一つ。高専生が中心となり、2年半かけて開発を進めた。
KOSEN―1は高さ20センチ×横10センチ×奥行き10センチの大きさで、重さは約2・6キロ。▽木星から放射される電波の観測▽精度の高い衛星の姿勢制御▽電気機器を制御するマイコン(小型コンピューター)動作の実証実験―などを目的とする。飛行期間は1年間を予定している。
苫高専は宇宙理工学関連の研究や教育活動の推進へ、17年度から徳山高専の北村健太郎教授を研究代表とした「超小型衛星開発を通した高専ネットワーク型宇宙人材育成」に参画。文部科学省の宇宙航空科学技術推進委託費採択事業で高知、群馬、香川、徳山、明石、岐阜、米子、鹿児島、新居浜高専と共同で開発を進めてきた。
苫高専からは宇宙工学に関心を持つ約10人が参加。衛星通信実習に臨んだり、宇宙理工学に関するオンライン講座「高専スペースアカデミア」を受けたりしてきた。
同校は衛星地上局を運用する役割を担う7高専の一つで、最も北に位置。KOSEN―1の打ち上げ後、電波の受信を目指す。
3メートルほどあるアンテナを校舎の屋上に設置済みで、受信機や制御用のパソコンなども整備。今後、アンテナの取り付け角度の調整などを行う。
「卒業までには何とかデータ観測できるようにしたい」と、3年前から実習などに参加する専攻科電子・生産システム工学専攻2年の瀧澤哲さん(22)。専攻科情報エレクトロニクスコース1年の佐藤颯空(そら)さん(21)は「データ解析も楽しそう」と、宇宙研究が身近になることに期待している。
















