ロシアアイスホッケー界の名選手だったウラジミール・シャドリンさんが先月26日に73歳で逝去した。タス通信が大きく報じ、国際アイスホッケー連盟ウェブサイトも訃報を伝えた苫小牧ゆかりの人。
1982年の第17回日本リーグで王子製紙が2連覇した際、シャドリンさんが最優秀選手に選ばれた。当時の発表を受けて本紙は「引木孝夫監督の言うことに忠実に従い、優勝の原動力になった」と論評した。来日以前、世界頂点に君臨し続けた旧ソ連代表として五輪金メダルに2度輝いたFW。同年で母国に帰ったが、王子はその後2シーズンも日本リーグを席巻。前人未到の4連覇につなげるロシア流戦法をチームに授けた人物だ。同国のプロチームで副社長も歴任し、新型コロナウイルスに感染して亡くなったという。
元同僚のGKで苫小牧に住む新谷和夫さん(69)は得点源の本間貞樹さんや東毅さんを率いたセンター、シャドリン氏について「欲しいところで点を奪ってくれた。パスが絶妙でした」としのんだ。「全体練習終了後も自分にシュートを打ち続けて鍛えてくれた」と感謝した。プライベートでは明るく朗らかで、ラーメンと日本酒の熱かんをこよなく好んでいたそうだ。
王子のチーム史を今に継ぐレッドイーグルス北海道がホーム苫小牧開催ジャパンカップで10月2、3両日、栃木日光アイスバックスと連戦に臨む。前回カップ覇権の余勢を駆って勝利へ突き進んでもらいたい。(谷)









