新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全面解除され初の週末を迎えた1日夜、苫小牧市の中心市街地に久しぶりに明かりがともった。あいにくの雨模様にもかかわらず、飲食店内は客の笑顔であふれかえった。通常営業に戻った飲食店主らからは安堵(あんど)の声が上がる一方、感染再拡大への不安も交錯する夜となった。
同日夕、錦町や大町などの繁華街には団体客こそ見られないものの、2~4人グループの若者やサラリーマンらがぞろぞろと居酒屋に入る姿や、酒店の従業員らが配達用トラックにビールだるなどを積み込む姿が目立った。
「お客さんの笑顔が見られてうれしいが、期待と不安の半々。少しずつ日常に戻ればいい」と話すのは、週末のみ時短営業を続けていた錦町の「大衆酒場 吉米」店主の吉田雅詞さん(43)。午後5時のオープンから客足は途切れず、同7時ごろにはほぼ満席に。
友人2人と足を運んだ30代女性会社員は、約1カ月ぶりの外食に「(宣言解除を)待っていました。やっと飲みに来られて、自粛の我慢が報われました」と笑顔。仕事帰りに訪れた30代男性会社員は「外で飲むお酒は格別。たまっていたストレスも発散できる。今後もマスクや少人数での会食など、一人一人が節度を守った行動も大切」と気を引き締めながらの一杯を楽しんだ。
約1カ月ぶりに営業を再開した同町の「GOOD BAR HEROS」では夜が更けるまで笑い声が絶えず、「お客さんとの会話が純粋にうれしい」と代表の今田雅貴さん(37)は喜んだ。週末にかけ予約も数件入り、幸先のいい客足回復に期待する一方、「(感染再拡大の)不安は残るので徹底した対策を続け、安全に飲める場所を提供していきたい」と話した。
「多くの方に来店してもらいたいが、混み合うと感染リスクも高まる」と葛藤を明かすのは、大町の「izakaya草―sou―」店主の佐藤伸也さん(37)。「宣言明けの予約数は少なめで(外に出るのが)慎重な印象。どこまで飲みに出てくれるか」と不安な様子を見せながらも、「迫る忘年会シーズンに向けて柔軟に対応していく」と前向きに語った。
政府が宣言解除を決定した9月28日以降、飲食店から卸売業者への注文も相次ぐ。「取り引き先の飲食店から酒の注文が増え始めた」と、業務用酒類販売のトモヒロ(明野新町)の友廣久之代表(63)はほっとした表情。「飲食店街が活気づくことに期待する」と話す一方、「年末にまた宣言が出され、同じ事の繰り返しになるのでは。落胆しないような対策を講じてほしい」と願った。
















