大谷、二刀流を全う 練習量減らし、シーズン「完走」 まだまだ上にいける

低めの球をすくい上げ、ソロ本塁打を放つ大谷=6月28日、ニューヨーク(EPA時事)

 今季最終戦で先頭打者本塁打を放ったエンゼルスの大谷は、打点を100に乗せた。投打の中心選手として欠場は4試合のみとフル回転。「二刀流」でシーズンを完走した。打者での安打(138)、得点(103)、投手での投球回(130回3分の1)、奪三振(156)と合わせ、結果を出し続けなければ届かない五つの「100」をクリアした。

 大リーグでの過去3年はけがに泣き、投打での活躍が評価されて新人王を受賞した2018年でさえ、右肘を痛めた影響で登板は10試合だけ。代名詞の二刀流を全うしたシーズンはなかった。

 大リーグは長距離を移動しながら162試合を戦う体力勝負の一面もある。大谷は昨年、マドン監督から「練習のし過ぎ」と指摘されたことがあったという。今季の総括会見では「今年は長い離脱をしないように、リカバリー(回復)の方をメインにシーズンを通してやってきた」と明かした。

 屋外での練習量は目に見えて減った。桁違いの飛距離で観客を沸かせていた試合前のフリー打撃は、ルーティンから外れた。打撃コーチによると、屋内での練習も15分ほど。試合前のグラウンドに姿を見せるのは、キャッチボールやブルペン投球を行うときくらいだった。

 全てがかみ合い、これ以上ない結果を残したようにも見えるが、大谷本人の考えは違う。オフの取り組みについて問われると、「トレーニングをもっとハードなものにしたいと思っている。まだまだ上にいけると思っている」。球史に残る一年を過ごしても、まだ伸びしろはあると信じている。

 今季最終戦を控え、オンラインでの総括会見に応じたエンゼルスの大谷との主なやりとりは次の通り。
  大谷 総括会見・一問一答

 ―今季の活躍について。

 大きなけがなく、出続けられたのはよかった。逆に言えば、もっと早い段階でこういう形をつくらないといけなかった。

 ―疲れが出た時期は。

 あまりなかった。ずっと試合に出て、同じリズムで(最後まで)こられた。

 ―今オフの取り組み。

 トレーニングをもっとハードなものにしたいと思っている。まだまだ上にいけると思っているので、今年以上のパフォーマンスが出せるように、そういうオフにしたい。

 ―きょう登板しなかったのは。

 監督、フロント、いろいろな人と話して、それがベストではないかなという判断。

 ―MVP争いの有力候補に挙がっている。

 最後までいいパフォーマンスをして終わる。そうすれば、おのずと見えてくるものはあると思う。

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