北海道開発局室蘭開発建設部は6日、胆振東部地震で被災した厚真ダムや主要農業用水路、河川などの復旧状況説明会を開いた。国は2023年度末までの復旧完了を目指す中、21年度末予定の進捗(しんちょく)率は74%で、室蘭開建は「実質8割ぐらい完了する」と説明。工事は計画通り順調に進むが、この1年で新たな損壊も発見されたといい、改めて被害の甚大さを示した。
18年9月の地震以降、室蘭開建は毎年、揺れや山腹崩壊、土砂の流入などで被災した国所管施設の近況を、報道機関に説明する場を設けている。国直轄の災害復旧事業のうち▽農業用水を確保する厚真ダム▽厚幌導水路など農業用水路28・3キロ▽揚水機場―などを復旧する勇払東部地区の事業費は約478億円で、23年度末の完了を目指している。
厚真ダムでは今年度、大雨など緊急時に使う水路・洪水吐きや管理橋、左岸と右岸ののり面などの工事を展開。洪水吐きは今年度から2年計画で11区画(1区画約10メートル)を整備しており、高さ7メートルの側壁にコンクリートを打ち込んでいる。のり面が急な斜面の場合はコンクリートを敷設し、緩やかな傾斜は植生で保護するなど、状況に応じて工法を分けている。
一方、厚幌導水路は構造体の沈下が激しく、直近1年間の最新調査で新たに、基礎杭が全損していることを発見。小野尚二胆振農業事務所所長は「目視で37本被災したと考えていたが、たたいて反射波形を測定する詳細な調査で、87本全部が結局折れていた」と説明。事業費は現状で変更予定はないが、「工事で苦しんでいるところもある」と率直に述べた。
また、厚真川水系の国直轄4河川(日高幌内川、東和川、チケッペ川、チカエップ川)の砂防事業の近況も報告。4河川は19年に緊急対策を終え、100年に1度規模の大雨に堪えられる恒久対策を実施中で、日高幌内川は21年度までに基幹砂防ダムを全体の約6割の約7500立方メートル整備する予定。残る3河川も砂防ダムのかさ上げなどを進めている。
堀田伸之次長は「ICT(情報通信技術)の活用、関係機関の連携、地元の方々の協力で、計画通り順調に進んでいる」と説明。一方で「やるべき工事がまだ残っている」と述べ、「地域に寄り添い、災害に強い地域づくりに取り組む」と強調した。



















