ビーズ

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 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)・国立アイヌ民族博物館が開催中の「ビーズアイヌモシリから世界へ」は、実に面白い特別展だ。世界の諸民族が生み出したビーズは、これほど多様にあるのかと驚かされる。

 ビーズは石や木の実、動物の骨などさまざまな素材に開けた穴にひもを通し、部材同士をつなげた装飾品。12万年前のイスラエルや北アフリカの遺跡で見つかった穴開き貝殻が、現存するビーズの最古とされる。特別展ではブラジルやパプアニューギニアの先住民が人間の歯で作ったネックレス、台湾の原住民族がオオスズメバチの頭部を糸でつなぎ合わせた装身具も並べてあり、珍しさから見入ってしまった。

 先史時代に誕生して以来、世界の文化の隅々に広がった。単なる美意識だけでなく、集団の中での立ち位置を示すシンボル、魔よけのお守りなどいろんな役割と目的で用いたと推察されるが、人類が現代までビーズに魅了されてきた理由は何なのか。”つなぐ”という行為に人はどのような意味合い、価値観を抱いてきたのか。シンプルな形ながらも背景は奥深い。

 会場には渡島管内知内町の遺跡で発見された2万年前(旧石器時代)の装飾品「玉」や、アイヌ民族が交易で手に入れた金属、ガラス玉などで作った伝統の首飾り(タマサイ)も展示され、北海道で育まれた独自のビーズ文化を伝えている。特別展は12月5日まで開かれる。(下)

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