苫小牧市弁天の海岸で今年1~2月に見つかったアイヌの丸木舟「イタオマチプ」(板つづり舟)2隻が20日、保管されていた勇武津資料館(勇払)から白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)にある国立アイヌ民族博物館に移送された。所有する市教育委員会と同博物館が8月に締結した共同研究の一環。2隻は博物館敷地内に運ばれた後、脱塩などの保存処理を施され、年代測定や樹木の同定などの調査に入る。
同日午前9時半ごろ、美術品運搬の専門業者ら10人が勇武津資料館前に集まり、舟を1隻ずつ不織布とウレタンなどで慎重に梱包(こんぽう)。さらに木枠で保護し、クレーン車を使ってつり上げ、専用トラック2台に1隻ずつ積載した。トラックは約1時間後に出発し、アイヌ民族博物館に到着後、敷地内のスチール製容器に収められた。
市美術博物館の武田正哉館長は「移送後は脱塩の作業に入っていくが、保存処理には長い時間が必要」とし、一般公開に至るまで「少なくとも5年はかかる」との見通しをを示した。
丸木舟2隻のうち全長610センチの1隻は1月27日、市弁天の海岸で流木を拾いに来た地域住民の男性が発見。連絡を受けた市美術博物館の職員が2月7日に現地を訪れたところ、1・3キロ東に全長413センチの2隻目が見つかった。発見は1966年7月以来55年ぶり。勇武津資料館に一時保管されていた。
8月27日には市教委とアイヌ民族博物館がデジタル機器などを使ったより細かな計測など4項目の研究を2025年3月まで共同で行う覚書を交わした。
















