北海道の米作りは寒地稲作の祖・中山久蔵の挑戦によって本格化した―とされる。中山は1873(明治6)年、恵庭と北広島の境界の島松沢に入植し、道南から取り寄せた赤毛種の栽培に挑んだ。
寒い夜には夜通し風呂を沸かし、湯を水田に流し込んだと伝えられる。ようやく収穫できたもみは、道内各地の稲作を志す同志たちに無償で提供した。
30年ほど前、厚真町の支局に勤務した。町内でもおいしい米が取れる高丘地区のHさんはある年、水田の一角をビニールで覆った。コシヒカリを作る新潟などとの、積算温度の差を埋める方法を探る実験だ。挑戦の気風は、脈々と伝わっている。
自民党の麻生太郎副総裁(元総理、前財務相)が25日、札幌や小樽で行った演説が物議を醸している。「道産米がおいしくなったのは農家や農協の力ではない。温度が上がったから」との内容だ。石炭財閥の歴史や温暖化ガスを吐き出し続ける火力発電所に感謝せよ―ということなのか、意味が分からない。岸田文雄首相は26日のテレビ番組で「申し訳ない」と謝罪し、与野党問わず厳しい非難が続く。鈴木直道知事も28日会見し「残念と言わざるを得ない―」。
安倍晋三元総理が全国民に無料配布した、いわゆるアベノマスクも改めて注目される。約115億円分、約8300万枚が余り、6億円を払って倉庫に保管していると会計検査院が確認した。元総理たちの目立ち過ぎた総選挙。あすは投票日。(水)









